【ツイート転載】『プレジデント』の生活保護バッシングを批判する(2016.10.24)
いま発売中の『プレジデント』に、同誌が生活保護についてどう考えているかを象徴する記事が載っているので、生活保護行政の関係者や研究者は読んだ方がいいと思います。少なくとも私は立ち読みで怒り心頭に達し、購入しました。汚物は購入の精神。近日中に批判します。
— 後藤和智@友の会委託/ライブ青森-あ03 (@kazugoto) 2016年10月24日
というわけで、このツイート https://t.co/8lUo3fQPTT で予告していた、『プレジデント』の生活保護の記事を血祭りに上げます。 https://t.co/grrUvaXUMX
— 後藤和智@友の会委託/ライブ青森-あ03 (@kazugoto) 2016年10月24日
まず、この記事のタイトルには「ドキュメント」と書いていますが、まずはこの記事を最後までお読みください。驚くべきことが書いてあります。
《本稿はすべてフィクションです》
まず、この記事のタイトルには「ドキュメント」と書いていますが、まずはこの記事を最後までお読みください。驚くべきことが書いてあります。
— 後藤和智@友の会委託/ライブ青森-あ03 (@kazugoto) 2016年10月24日
《本稿はすべてフィクションです》
フィクションならば、なぜ「ドキュメント」などというタイトルをつけたのでしょうか。 pic.twitter.com/90mXKKWi59
フィクションならば、なぜ「ドキュメント」などというタイトルをつけたのでしょうか。言っておきますが、私は捏造などしていません。本当にそう書いてあります。
で、記事の問題ですけど、自営業で細々とやってきが60歳の男性が、60歳を「定年」にして、ありったけの財産を使い果たして生活保護を受けて楽しようという記事。なぜこういうケースを選んだのか。てかあるの?
記事はその男性が有り金や財産を豪遊して使い果たし、兄弟にも無理な注文をして福祉事務所の職員にさも自分が財産も身よりもないかのように説明するという内容。仮にこれがフィクションであるという最後の物言いを受け入れているならば、『プレジデント』編集部が生活保護受給者をそういう風に捉えていると考えてもおかしくない。
そもそもこの記事には生活保護受給者に関する統計が出てきていないし、こういうケースがあり得るのかどうか、福祉事務所の職員さんやソーシャルワーカーの方に取材した形跡も、多分ないでしょう。参考文献もありません。
最後の物言いによって、さもこういう風な「贅沢」な生活保護受給者が福祉政策を、ひいては我が国の財政を歪めていると主張するというものです。
編集部、もしくは書き手の大高志帆なる人物は「小説」ということで逃げるつもりでしょうが、そういう検証から逃れるものではないと思いますが。東方総集編2巻にも書きましたけど、生活保護の「不正受給」とされているものの多くは収入の申告忘れです。また我が国の生活保護は自立支援という制度的背景も持っている。『プレジデント』の読者はこういう偏見まみれの記事で騙すことができるとでも思っているんでしょうか。
しかし「フィクション」「小説」と言えばいかなる偏見を表出しても許されると考えるなんて、文学も舐められたものですね。この記事は間違いなく同誌にとって歴史的汚点になるでしょう。てかなってくれ。