後藤和智事務所OffLine サークルブログ

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【ツイート転載】「若者の無知」の責を若者に負わせるべきではない(2018.06.14)

 排外主義の広まりから、その原因を「若者」に求める議論がまたぞろ蒸し返してきているけど、敢えて「若者の無知の責を若者にすべて負わせるべきではない」ということは強調しておきたい。

 そもそもいまの若い世代は、上の世代の「言論」によって社会を改善する手段を奪われてきたと言っていい。 90年代の保守言説による「人権」へのバッシングと、2000年代のロスジェネ論に代表される、「自分は左翼的なことを言ってきたがそれは自分を巣くわなかった、だから左翼を批判する」的言説は、実は親和性が非常に高い。ロスジェネ論客は、他方で労組や既存の社会運動を敵視し、左派こそが「既得権益」の守り手だと主張してきた。そしてネットで助けを求めているような自分のような存在を救済することこそ「真のリベラル」だと主張した。しかしそのような主張は、既存の左派運動や、それが対象としてきたもの(例えば女性、外国人)への敵視と表裏一体だった。

  「自分こそが真の「救済されるべき弱者」だ」というロスジェネ論は、結局の所左派嘲笑の若手保守言説と極めて親和性が高いわけで、ロスジェネ論客の多くが閉鎖的になっていった。今般のフェミニズム関係の激しいバッシングはまさにそういうロスジェネ言説の行き着く先で起こったことだ。そしてそういう一団がネット上でもマスコミでも幅を利かせるようになると、より若い世代が社会問題解決するために人々と繋がる道が破壊される。ロスジェネ論というのはまさにそういう「社会」の破壊に尽力してきたわけで、ロスジェネ言説の担い手とその下の世代は区別される必要がある。

 そして「言論業界」とでも言うべきものも、そういう現状を直視せず、「言論」なんて一部のオタクしか読まないような思想誌、論壇誌の戯れ言として軽く扱ってきたけど、現実に「言論」の影響は広く浸透している。それを自覚しなければならない。

 あるロスジェネ論客は、自分の立場を「ルサンチマン」だと言ったけど、その論客の言うことは「ルサンチマン」を超えることはなかった、それどころか自分の「ルサンチマン」を理解しない連中のほうがおかしい、的な態度をとり続けている。だが、公器としての言論に発展させるなら勉強しなければならないんだよ。ただ「自分を救ってくれなかった旧来左翼・似非リベラルが悪い」とだけ言っていれば支持を集められるような「言論」は、どんどん内にこもるだけだ。それどころかそういう態度は、昨今のヘイトスピーチの横行と無関係ではない。

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 とりあえず先に言われる前に言っておこうか。このツイートに対して「昔からそうだったよねー」とかいうリプライがつくと思うのだが、そういう態度で「今ここ」の問題を放置し、マウンティングに終始してきた「評論の読者」が我が国にとって大きな障害なんだよ。