後藤和智事務所OffLine サークルブログ

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【ツイート転載】「新型うつ」論の起源に関する井出草平氏への回答(H27.7.9)

「新型うつ」論の起源に関する井出草平氏への回答(H27.7.9)

大阪大学講師の井出草平氏が「シノドス」に寄稿した記事「「新型うつ」は若者のわがままか?」(http://synodos.jp/society/14551/)をめぐって、井出氏から「〈新型うつ〉という言葉を最初に使ったのは誰か」という趣旨の質問を受けましたので、私なりの回答をしました。

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個人的な観測ですが、香山リカだと思います。井出様が記事内で採り上げられていた『「私はうつ」と言いたがる人たち』以前に香山は『仕事中だけ「うつ病」になる人たち――30代うつ、甘えと自己愛の心理分析』(講談社、2007年)の中で今の〈新型うつ〉とだいたい同じ意味で「30代うつ」という表現を使っていますが、この「30代うつ」について「新しいタイプのうつ病」と表現していたのが後に「新型うつ」のような表現になったのではないかと考えております。

ついでですけど、『仕事中だけ「うつ病」になる人たち』及びその文庫版である『なぜあの人は、仕事中だけ「うつ」になるのか』については、本日Amazonを見たところどちらも絶版らしく、ただ文庫版のKindle版があるだけという体たらくです。同書は〈新型うつ〉概念を読み解く上で避けては通れない書籍であるはずなのに、です。また〈新型うつ〉概念に肯定的な論者の多くは香山のカの字も触れることはほとんどありません。ただ香山の言った「若い世代に新しいタイプのうつ病が増えている」というのが何となくふわーっと広がったのでしょう。連投失礼いたしました。